クロコダイル製品のメンテナンス・修理
2025.01.27

クロコダイル製品の角擦れで修理はできる?その対処法

クロコダイルレザーの特徴と擦れや傷の原因

クロコダイルレザーは、その硬さと密度の高さから非常に耐久性に優れています。しかし、その表面は独特のウロコ模様を持ち、摩擦や傷がつくと、その美しさが一気に損なわれる可能性があります。特にバッグや財布、ベルトなど、頻繁に使用するアイテムでは角部分が擦れやすく、長時間の使用で次第に傷や色あせが生じます。

クロコダイルレザーは、普通の牛革や羊革と比べて表面の質感が細かいため、擦れた際にその差が目立ちやすいという特性もあります。軽微な擦れであれば、自宅で手入れすることも可能ですが、深刻な傷や色の剥がれが発生した場合は専門的な修理が必要です。

またクロコダイルレザーには表面が艶のあるもの(シャイニングクロコ)と艶のないもの(マットクロコ)の2種類があり、それぞれの傷のつき方や擦れにも特徴がありますがいずれにしろ使用している限り「擦れ」は避けられない問題です。

ヘリ返し(縁返し)と切り目

クロコダイル製品を作る過程では、「ヘリ返し(縁返し)」という工程が重要な役割を果たします。これは、革の縁(ヘリ)を内側に折り返して縫い付ける方法で、製品の仕上がりに美しいラインと強度を加えます。ヘリ返しが施されていないと、製品が持つ高級感や耐久性が損なわれ、角部分が早く擦れて傷ついてしまう原因にもなり得ます。

クロコダイルのような高級レザーでは、ヘリ返しを丁寧に行うことで、耐久性が増し、角の擦れによる劣化を最小限に抑えることができます。この工程を省略すると、縁がすぐに摩耗してしまい、製品全体がダメージを受けやすくなります。特にクロコダイルバッグの角部分は頻繁に摩擦にさらされるため、ヘリ返しの仕上がりが重要です。

また「切り目」という工程は、革を鋭い刃物で裁断しそのままの状態で縫い合わせ露出した革の断面は染料を塗り、ワックスなどで磨き上げて仕上げる方法です。

クロコダイル製品の縁(コバ)は、特に大切な部分であり、修理やメンテナンスを行う際に注意が必要です。縁部分が擦れたり、切り目があらわになると、製品全体の印象が大きく変わります。そのため、切り目を処理し、コバ塗りを施すことで、クロコダイル製品の美しさを保つことができます。

ヘリ返しの修理方法

万が一、ヘリ部分が擦れてしまった場合、ヘリ返しを修理することが可能です。修理職人は、まず縁を丁寧に整え、必要に応じて切り口をきれいに整形します。その後、クロコダイルの革を使って新たにヘリ返しを施し、オリジナルの状態に近い仕上がりを目指します。ヘリ返しの修理は、製品の耐久性を復活させるために非常に重要な工程です。

切り目の処理

クロコダイルレザーの製品では、切り目の部分が外見にも影響を与えるため、慎重に処理しなければなりません。特に、バッグや財布の内部に使用されている革の切り口(裁断面)が目立つことがあります。これを整えるためには、切り目を丁寧に仕上げ、革の風合いに合わせた仕上げを施します。切り目の処理は、製品全体の美観を保つために非常に重要です。

コバ塗り(コバの仕上げ)

「コバ塗り」とは、皮革の縁(コバ)部分を塗装する工程です。この処理により、革の切り口が保護され、摩擦や傷から守られると同時に、美しい艶を与えることができます。コバ塗りは、特にクロコダイルレザーのような高級素材には欠かせない工程であり、慎重に行うことで製品の耐久性を高め、長期間にわたって美しさを保つことができます。

コバ塗りは、塗料を数回重ね塗りして仕上げる方法が一般的です。塗料が乾いた後、細かいヤスリで表面を整え、さらに艶を出すために磨くことが求められます。これにより、切り口が滑らかで美しい仕上がりになり、擦れや傷を防ぐ効果が得られます。

クロコダイル製品の擦れや傷の修理方法

クロコダイル製品に擦れや傷がついた場合、修理には以下のような方法があります。

軽度の擦れや傷の場合

艶あり(シャイニングクロコ)の場合、表面に薄くコーティングがしてあるので軽度の擦れや傷については、専用のクロコダイルレザークリームを使用して修復を試みることができます。クリームを使用することで、皮革が潤い、表面の色合いを整えることができます。ただし、これはあくまで表面の修復であり、深い傷や色落ちには効果が薄いことがあります。

深い傷や角の擦れの場合

深い傷や角部分の擦れに関しては、専門のレザーリペア職人に依頼するのが最適です。職人は、まず表面を丁寧に清掃し、損傷部分を補修します。クロコダイルレザーの場合、傷や擦れた部分に合わせた色を再現することが重要です。職人は色を調整し、傷の修復を行うことで、オリジナルの状態に近い仕上がりを実現します。また、傷が深い場合には、部分的に新しいクロコダイルのレザーを使用して補修することもあります。

クロコダイル製品の擦れ直しビフォーアフター

玉縁の部分の擦れ

擦れの補修後

マチの切り目部分の擦れと糸はずれ

擦れ及び糸の補修後

腑(うろこ)の剥がれ

補修後

持ち手部分の擦れ

補修後ツヤ出し加工済み

クロコダイル製品のお手入れと予防策

クロコダイル製品は、丁寧なお手入れをすることで、長期間美しさを保つことができます。日常的なお手入れ方法としては、汚れを落とすこと、風通しの良い場所で保管すること、そして必要に応じてクリームやオイルで栄養を補うことが挙げられます。

  • 汚れの除去:クロコダイルレザーは、水分や油分に弱いため、汚れがついた場合はすぐに乾いた布で拭き取ります。湿った布を使うと、シミが残ることがあるため注意が必要です。
  • 風合いの維持:定期的に専用のクリームを塗布し、乾燥を防ぐことで、クロコダイルレザーの風合いを維持できます。過剰な使用は皮革に負担をかけるので、適量を使用しましょう。
  • 保管方法:クロコダイル製品は湿気や直射日光を避けて保管することが大切です。湿気が多い場所に保管すると、革がカビを生じる原因になることがあります。保管時には、袋やケースに入れて保護することをお勧めします。

結論

クロコダイル製品は高級感があり、他の皮革と比べて手間がかかる部分もありますが、適切にケアすればその美しさを長く保つことができます。擦れや傷がついた場合には、これらの修理を専門業者に依頼することで、クロコダイル製品の価値を守り、再び美しい状態に戻すことができます。日常的なお手入れも重要であり、風合いや質感を長期間維持するために、定期的にケアを行いましょう。弊社製品の場合このような修理も10年間の無料修理保証をお付けしております。

執筆者 代表取締役 武知淳一

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